眼科ブログ

黄斑上膜と加齢黄斑変性の違いについて

先日、黄斑上膜の手術予定の患者様から、黄斑上膜と加齢黄斑変性の違いについてご質問がありました。
いい機会でもありますので、ブログでも取り上げてみようと思います。

黄斑上膜とは

黄斑上膜は網膜の中心部分である黄斑の表面に薄い膜ができてしまう病気のことで、眼球の奥底に生じるのが特徴です。
軽症のものを含めると40歳以上のおよそ5%が罹患するとも言われていて、加齢とともに比較的多くの方に起こり得る目の病気です。

症状はものが歪んで見える、視力低下といったものが中心で、これらの症状は自然に改善していくことはありません。
網膜剥離や網膜静脈閉塞症、ぶどう炎などの病気に伴い、黄斑上膜ができることもあるので、注意が必要です。

加齢黄斑変性とは

一方、加齢黄斑変性は、黄斑の裏側にある脈絡膜という部分から、新生血管と呼ばれる新しい弱い血管が生えてくる病気です。
本来必要のない血管が生えてきてしまう病気とお考えいただければわかりやすいでしょうか。

やっかいなことに、この新生血管からは出血や血液中の水分が漏れ出たりします。
これによって黄斑がダメージを受けてしまい、ものが歪んで見える、視力が低下するといった症状が生じ、進行すると失明の危険性もあります。

黄斑上膜と加齢黄斑変性、2つの違い

上記のように黄斑上膜と加齢黄斑変性は、どちらも加齢に伴い発症する目の病気で症状も似通っていますが、大きく言って2つ違う点があります。

一つは、黄斑上膜の場合、加齢黄斑変性のように網膜の裏側に新生血管と呼ばれる新しい弱い血管が生えてくることは、通常はない点です。

もう一つは、続発性でない黄斑上膜の場合、激しい出血または黄斑の萎縮が起こるケースは少ないために、進行による視力低下や変視症の増悪はみられても、完全な失明に至ることはほとんどありません。

これに対して加齢黄斑変性は、新生血管が生えることが原因で、激しい出血や黄斑の萎縮が起きた場合、失明に至るケースがあり視力回復も困難な点です。

網膜関連の病気は早期発見・早期治療が何よりも大切

日進月歩の医療の世界でも、現時点では網膜の細胞を再生する治療はありません。
目を守ることと網膜を守ることは、よりよい見え方で日々を過ごすために直結している問題です。

ものを見る時に大切な黄斑部の病気は、他の目の病気と比べても自覚症状を感じやすい病気です。
しかし、目は左右二つありますから、片目のみ症状が出ていても、もう片方の目がカバーすることで気づかない場合があります。

40歳を越えたら時々、片目を塞いで見え方のチェックをしていただき、どちらか一方の目が「ものが歪んで見える」「中心が見づらい」といった時は、速やかに眼科専門医を受診するようにしてください。

当院では日帰り硝子体手術を行っています

黄斑上膜の治療に際し、当院ではOCTなどの医療機器で網膜の状態を詳細に鑑別し、手術が必要かどうかの的確な診断と患者様のご意向などを総合的に判断し、膜を取り除く日帰り硝子体手術を行っています。
白内障が進んでいる場合は、白内障と黄斑上膜の同時手術も対応しています。

また、加齢黄斑変性に関しては、OCTやOCTAなどを用いた精密な検査で加齢黄斑変性の病状の正確な診断を行い、新生血管を退縮させる抗VEGF硝子体注射を行っています。
ご参考になれば幸いです。

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