眼科ブログ

強度近視と白内障の関係、その特徴について

最近、強度近視についてご質問をいただくことが多くなってきました。
近視は何となくわかるけど、どれくらいになれば強度近視という言われ方をするのか、よくわからないということもあるかと思います。
また、強度近視だと白内障になりやすいのか、というご質問をいただくこともあります。

近視と強度近視の違い

そもそも人間の目は、近くを見る時は水晶体がふくらみ、遠くを見る時は水晶体が薄くなることで、入ってくる光の焦点を網膜に合わせ、ピントを調節しています。
こうして、私たちは違和感なくものを見ることができているわけです。

近視とは、長い時間近くのものを見続けることで、ピントを調節してくれる水晶体が、ふくらんだまま固まってしまっている状態を意味します。
以前は、近くは見えるけど遠くを見る時にぼやけてしまうのは、ピントが網膜に合わないからだと考えられていました。
しかし医学の発展によって、現在では角膜の頂点から中心窩までの長さである「眼軸」が伸びていることが、近視になる主な要因と判明しています。

近視と強度近視の何が違うのかといえば、一つはご使用になっているメガネやコンタクトレンズの度数が、−6D(ディオプター)以上といった強い度数であることです。
もう一つは、先ほど近視と眼軸の話をしましたが、通常、日本人の成人の場合、近視も遠視もない方の眼軸の長さは約24mm程度ですが、眼軸長が延長されると強度近視となります。

強度近視の方は様々な目の病気を併発しやすい

強度近視で眼軸が長いと、網膜や脈絡膜が後方に引き伸ばされてしまうことによって、神経への負荷が増強します。
そのことにより、眼底にさまざまな異常が生じた強度近視を病的近視と言い、視覚障害の主な要因の一つになっています。
また、眼軸との関係が大きいことから、「軸性近視」「眼軸近視」とも言われています。

強度近視になる原因は、環境因子や遺伝因子の関係が挙げられています。
しかし、一概には言えず、はっきりとしたことは現在でもわかっておりません。
強度近視の方の場合、網膜剥離や緑内障を始め、さまざまな目の病気を併発しやすくなります。
白内障の発症リスクも高いと考えられており、比較的若い年齢で白内障手術を受けられる方も当院では増えております。

白内障手術で強度近視から裸眼で生活できることも

ご存じのこととは思いますが、白内障手術は濁ってしまった水晶体を取り出し、代わりに人工の眼内レンズを入れる手術です。
この時、使用する眼内レンズは、メガネやコンタクトレンズと同様に、さまざまな度数やタイプがあります。
子どもの頃から強度近視でメガネやコンタクトレンズが手放せなかった方でも、眼内レンズの選び方次第では、白内障手術後に裸眼で生活できる場合もあります。
白内障手術は、基本的に一度きりのものですから、白内障手術後の生活を考えたうえで、納得のいく眼内レンズ選びをすることは、とても重要だと思います。
そのため、当院では単焦点・多焦点を問わず、できるだけ多くの眼内レンズの選択肢をご用意することで、患者様の生活の質、見え方の質を守ることに努めています。

もちろん個人差はありますが、過ごしやすい目の状態を維持することは、患者様ご本人だけでなくご家族や周囲の方にとっても大事なことだと思います。
当院では白内障手術無料説明会、多焦点眼内レンズ無料説明会を定期的に開催しております。
また、取り扱っている眼内レンズについては、ホームページやブログで公開し、随時更新しています。
わからないことがありましたら、お問い合わせください。
ご参考になれば幸いです。

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