眼科ブログ
眼科には日々さまざまな目の不調を訴えて患者様が来院されますが、最近の特徴として次のようなことが増えています。
「最近目がかすむ」「目がぼやける」といった症状の患者様に、スタッフが「いつ頃からですか?」とお声をおかけした時、「だいたい一か月前ぐらいかな」とお答えになるケースです。
緊急事態宣言下でなかなか外出もままならないので無理はないことだとは思いながらも、病気の内容によっては見え方がおかしいと感じたらできるだけ早く眼科に来院していただきたいものもあります。
その一つが網膜剥離です。
網膜剥離とは、文字通り眼球の内側にある網膜が剥がれてしまうことで視力が低下する病気です。
最悪の場合、失明してしまうこともあるため、少しでも視力を落とすことなく回復させるためには、時間との戦いが必要になってきます。
前兆として蚊のような黒い点が視界の中を漂ったりする“飛蚊症”の症状が現れますので、この際はできるだけ早く眼科専門医を受診されることをおすすめします。
網膜剥離になる原因は、大きく分けて二つです。
一つは、ボールが目に当たったりするなど外傷性の網膜剥離です。
もう一つは、加齢に伴う後部硝子体剥離が原因の網膜剥離です。
剥離という言葉が2回出てきますので、網膜剥離と後部硝子体剥離の違いを簡単に説明していきます。
つまり、網膜剥離は目の病気ですが、後部硝子体剝離は加齢とともに誰でも起こる現象、いわゆる老化現象ということです。
では、なぜ後部硝子体剥離が網膜剥離を引き起こすことがあるのかというと、段ボールなどからテープやシールを剥がす時にきれいにはがせる時とはがせない時があるかと思いますが、これと同じように後部硝子体剝離が必ず網膜剥離を引き起こすわけではなく、きれいにはがれれば単なる老化現象で問題はないのです。
ただ、何らかの原因ではがれる際に網膜にダメージを与えてしまうと飛蚊症などを感じ、急激な視力の低下を招く場合がありますので注意が必要です。
通常、後部硝子体剥離は、早い方は20代・30代から始まり、ゆっくり時間をかけて60代にはほぼ終了するものです。
しかし、近視の方は20代・30代で後部硝子体剝離が原因の網膜剥離になるケースも珍しくありません。
網膜の傷が小さい段階であれば、レーザー治療で病気の進行を食い止められる可能性は高くなりますが、急激な視力の低下が起こってからではかなり治療は難しくなってきます。
天気予報によると今週は雨の日も多いようですが、見え方がおかしい、飛蚊症が出てきたという時は、できるだけ早く眼科専門医を受診するようにしてください。
ご参考になれば幸いです。
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