眼科ブログ

いつ起こるかわからない網膜剥離に注意しましょう

少し前になりますが、歌手の小林幸子さんが網膜剥離の手術を受けたニュースを見ました。
網膜剥離というとプロボクサーの引退原因となる病気というイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、私たちにとってとても身近な病気なのです。

網膜剥離とは、文字通り眼球の内側にある網膜が剥がれてしまい、視力が低下する病気のことを指しています。
網膜が剥がれても特に痛みはありませんので気づきにくいのが特徴ですが、前兆としては突然目の前に虫などが飛んでいるように見える飛蚊症の症状が現れます。
この飛蚊症の症状が出てきたら、すぐに眼科専門医を受診することをおススメします。

少しでも視力を落とすことなく回復させるためには、時間との戦いが必要になってきます。
もし、時間をおいて網膜の中心部分である黄班部分まで網膜が剥がれてしまうと、急激に視力が低下するだけでなく、最悪の場合失明に至る恐れもありますので注意してください。

網膜剥離を患う原因としては、一つは眼球への物理的ショックによる場合です。
これはボクサーの場合をイメージしていただければわかりやすいかと思います。
もう一つは加齢や糖尿病網膜症など一部の病気による場合です。
加齢と一口に言っても、目の状況は人それぞれですので一概に何歳からとは言えませんが、早い人なら20代で起きる場合もあります。
特に現代社会は目を酷使する時代ですので、注意が必要です。
また、糖尿病網膜症など糖尿病との関わりも大きいため、糖尿病を患っている方は定期的に検査を受けられることをおススメします。

検査の結果、すでに網膜剥離が進んでいる場合は、剥がれた網膜をもとの位置に固定する症状に合わせた手術が必要になります。
「一刻も早く手術する必要があります」と突然の入院・手術を勧められるケースが大半で、びっくりされるかもわかりません。
網膜硝子体手術は眼科分野でも難しい手術の一つですので、実績のある医療機関を普段からチェックしておいた方がいいでしょう。

網膜剥離を患った時に大切なことは、治療が早ければ早いほど視力への影響が少ないということです。
したがって、飛蚊症や光視症と呼ばれる突然ピカピカする光が見えたと感じた時は、すぐに眼科専門医を受診し検査を受けていただければと思います。

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