ICL(アイシーエル)手術と白内障手術の違い

当院の特徴の一つは、年々ICL手術実績を伸ばしていることです。

ICL手術と白内障手術にはさまざまな違いがありますが、眼内レンズという言葉が共通しているせいか、「ICL=多焦点眼内レンズ」や「ICL=白内障手術」など、混同されているご質問を、診察時などに受けるケースが時々あります。

寄せられた質問の中から、ICL手術と白内障手術の違いについてまとめましたので、ぜひご参照ください。

手術形式の違い

ICL(アイシーエル)とは、「Implantable Contact Lens」の略称です。

その名の通り、小さなレンズを目の中に移植(インプラント)して近視や乱視を矯正し、裸眼視力を回復させる視力矯正手術で、「有水晶体眼内レンズ」という呼び方をすることもあります。

眼内の虹彩と水晶体の間にレンズを挿入するため、有水晶体眼内レンズというわけです。

一方、白内障手術は、加齢などが原因で白く濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズを水晶体の代わりに挿入する手術です。これを、「無水晶体眼内レンズ挿入術」と呼びます。

ICLが水晶体を残したままの手術であるのに対し、白内障手術は水晶体そのものを取り除き、もともと水晶体があった場所に人工の眼内レンズを置き換える点が、二つの手術の大きな違いです。

手術に用いるレンズの違い

手術の形式が違うように、ICL手術に用いるレンズと、白内障手術に用いるレンズにはさまざまな違いがあります。

ICL手術に用いるレンズは、虹彩と水晶体の間に設置するので、次のように四角い形をしています。

holeICL眼内コンタクト

一方、白内障手術に用いるレンズは、白く濁った水晶体と置き換えるので、レンズ本体は丸く、レンズを固定するためのループと呼ばれる支持部がついています。

例えば、ファインビジョンという多焦点眼内レンズは、次のような形です。

三焦点眼内レンズファインビジョン

また、パンオプティクスという三焦点眼内レンズは、通常のレンズ、乱視用のレンズともに同じような形をしています。

PanOptix(パンオプティクス)のイメージ図

このように、レンズの形だけでも、ICL手術と白内障手術には違いがあることが、お分かりいただけるかと思います。

手術の適応年齢の違い

近視治療であるICL手術は、原則的に次の条件を満たして適応可能と医師が判断した方が対象です。

  • 「3D以上の中等度以上の近視あるいは乱視、またはその両方をお持ちの方」
  • 「21歳以上かつ原則45歳以下の方」

ミドルエイジと呼ばれる40代の方の場合、早い方は白内障や老眼など他の症状も出始める時期です。ICL治療は老眼を治療するものではありませんので、40歳以上の老眼が始まる時期の方は、あえて治療しても、そのあとの老眼進行のために老眼鏡が必要になる場合があります。

また、白内障の進行が今後予想される方は、ICL手術を行うよりも少し時期を置いて、希望される見え方に適した眼内レンズを用いた白内障手術を行う方が、より生活の質・視覚の質の維持に繋がると言えます。

これらの理由から、ICL手術は原則45歳以下の方を対象としており、幼い頃から強度近視に悩まされ、メガネやコンタクトレンズを手放せなかった20代・30代の方を中心に、「裸眼でよく見えるようになった」と好評をいただいています。

一方、白内障は個人差こそありますが、進行が止まることはない目の病気です。

加齢に伴う白内障は早ければ40代から発症し、70歳を超えるとほとんど全ての方が罹患します。

アトピー性皮膚炎やステロイドの影響による若年性白内障は、20代・30代の発症も珍しくありません。

白内障手術の場合、手術を検討する適切なタイミングは「仕事や日常生活に不自由さを感じているなら受けた方がいいですよ」ということです。

白内障の進行状況や他の眼疾患・全身疾患の有無などを含め、総合的に判断して手術を検討します。

このように、ICL手術は裸眼視力を回復させる視力矯正手術で、老眼や白内障を治療する手術ではないことがお分かりいただけたかと思います。

共通点は「レンズを目の中に挿入する手術」

ICL手術と白内障手術に共通点があるとすれば、「レンズを目の中に挿入する手術」ということです。

もちろん、挿入する場所に始まり、細かな違いはありますが、レンズを目の中に挿入する手術に成熟しているかどうか、医師の腕の見せ所でもあります。

いわば「眼内レンズ挿入手術のプロフェッショナル」であるかどうかが、ICL手術はもちろん、白内障手術の安全性を高める上で、大切な点です。

当院の院長・和田佳一郎は、日本眼科学会認定眼科専門医として、通算約1万件の白内障手術を行ってきました。2005年に和田眼科を開院後は、「術後感染ゼロ」を継続しています。

ICLに関しては、認定講習を受講し、認定医インストラクターの立会いのもと手術を行い、ICL認定医としてトーリックICL(乱視あり)認定証を取得しています。

トーリックICL・ICL認定証

また、ICL研究会に属しており、進化する技術の習得に努めています。

当院では、アイシーエル手術を行うにあたり、眼科手術用顕微鏡のライカ社「Proveo(プロベオ)8」、白内障手術装置「センチュリオン・ビジョン・システム」(アルコン社)を用い、より安全でより確実、そしてより短時間で低侵襲の手術に努めています。

また、ICL手術説明会・白内障手術説明会を定期的に開催しております。

ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

当院は今後もスタッフ一同研鑽に励み、患者様の健やかな生活と豊かなアイライフに貢献してまいります。

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