糖尿病は血液中に含まれるブドウ糖濃度、つまり血糖値が高くなる病気で、その結果、眼、腎臓、神経など様々な場所に影響を及ぼします。
眼への自覚症状が出るころには、糖尿病はかなり悪化しています。眼に病状がでるまでには発病から5~6年かかりますから、自覚症状が出る前に糖尿病の治療を進めることが大切です。
糖尿病の合併症による眼疾患には、
などがあります。
多くの患者様は、長い時間が経ってから眼に症状が出てきます。糖尿病になっても最初の数年は眼には何の症状も現れず、一見なんともないように感じます。だからといって治療を怠ってはいけません。眼科の定期受診と血糖コントロールが大切です。
糖尿病網膜症は眼底に血管がつまり、網膜の酸素が不足し、眼の中の出血や網膜剥離の起こる病気です。糖尿病網膜症は眼科の失明原因の第1位になっています。
糖尿病網膜症の治療としては、内科的な血糖コントロールが治療の第一です。内科の血糖コントロールと並行して眼科で定期的に診察をし、初期の場合は止血剤・循環改善などの内服をしたり、進行とともにレーザー治療(網膜光凝固)を行ったりします。重症の場合、外科的な硝子体手術が行われます。
糖尿病性網膜症は、糖尿病が原因で起こる網膜症です。
網膜上に毛細血管瘤ができ、小出血を起こします。
毛細血管が異常に増え、硝子体内に出血し、網膜剥離を起こし失明することもあります。
日本での成人失明第1-2位となっています。
糖尿病性網膜症は3つのStageに分類されます。
糖尿病黄斑浮腫が生じた場合は著しい視力低下や変視症を起こします。
黄斑浮腫とは黄斑の一部分に浮腫が生じた状態で血流障害によって、毛細血管瘤や黄斑部網膜内の血管から、血漿成分が漏れ出ることが原因です。
糖尿病により白内障が起こる場合があります。糖尿病が引き起こす代謝異常が原因で、水晶体に混濁を生じるのが糖尿病白内障です。
白内障は手術で対処できます。したがって視力の低下が著しい場合、眼底検査やレーザーができないほど濁った場合には、あらかじめ十分な血糖コントロール治療をし、その後で手術を行います。
糖尿病により続発性緑内障が生じることがあります。新生血管が原因であり、緑内障に至るほどの異常が生じている場合、網膜にもそれなりの異常が起こっていることが考えられます。
まずはレーザー治療により、眼底の状況をコントロールします。緑内障のなかでも、新生血管緑内障は治療が困難ですので予防が第一です。
糖尿病によって眼に病気が出た場合、眼の治療だけでは十分とは言えません。糖尿病の合併症全般に言えることですが、大切なのは血糖値のコントロールです。
糖尿病と付き合うためには、食事や運動など生活全般への心配りと自己管理が合わせて必要となります。
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