乱視

乱視という言葉は、視力に関する言葉の中でも比較的なじみのある方ではないかと思います。

乱視とは目の中にある“角膜”や“水晶体”の表面に歪みが生じることで、ピントが合わなくなってしまうことを指します。

目の構造をカメラに例えた説明をよくお聞きになるかと思いますが、レンズの役割を果たしているのが水晶体で、網膜はフィルムに相当します。

私たちの目に入ってきた光は、フィルムに当たる網膜でピントが合うように角膜と水晶体で屈折されます。

この際、角膜と水晶体の表面にほんのわずかでも歪みがある場合、光の屈折が微妙にずれることが原因で乱視が起こります。

乱視は特別な病気というものではなく視力測定を始め検査を行えば、程度の差はありますが誰でも持っているものです。

むしろ乱視が全くないという方が珍しいといっても差し支えないでしょう。

乱視を考える上で大切なポイントは、その方の乱視の程度が視力に影響するほどの乱視かどうかということです。

一口に乱視と言ってもさまざまな種類がありますが、大きく分けて2種類あります。

1つは角膜の歪みによって生じる「角膜乱視」、もう1つが水晶体の歪みによって生じる「水晶体乱視」です。

通常は乱視といえば「角膜乱視」のことを意味し、「水晶体乱視」はそれほど多いものではありません。

また、乱視の呼び名も大きく分けて2種類あります。

角膜や水晶体の表面がどのように歪んでいるかがポイントですが、例えるならラグビーボールのように歪んでいる場合の乱視を「正乱視」、表面がでこぼこになっているような感じの歪みが起きている乱視を「不正乱視」と呼びます。

ほとんどの場合、「正乱視」の可能性が高いですが、「不正乱視」は翼状片や円錐角膜などの病気、または目の手術後やケガの後遺症によって引き起こされるのが特徴です。

加齢に伴って眼球の状態は変化していきます。

乱視もまた年齢とともに変化していきますので、乱視のタイプに合わせた視力矯正方法を選択することが、仕事や日常生活をより良く過ごすために大切なことと言えます。

従来、乱視に関してはメガネやコンタクトレンズで矯正するのが一般的でした。

逆にいえばそれしか選択肢がなかったのです。

その後、医学の進歩と医療技術・医療機器の進歩によって、メガネやコンタクトレンズに頼る以外の乱視矯正方法も生まれてきました。

　白内障手術は水晶体の濁りを取り除き、見え方の質を良くする手術ですが、同時に乱視の状態を正確に分析してなるべく少なくすることが、その後の生活の質を守るうえで大切なことです。

そのため、当院では白内障手術に際して最新の複数のレンズ計算式での分析や、白内障切開位置による調整、適応により乱視軽減の眼内レンズの積極採用など、個人差はありますがなるべく乱視を増やさず術後生活の質を少しでも高めることができるよう、さまざまな工夫を行っております。

日帰り白内障手術のご案内はコチラ

屈折矯正手術で代表的なのがレーシックですが、角膜をレーザーで削り視力矯正を行うため、矯正が難しい強度の乱視の場合、受けることができませんでした。

レーシックに代わる新しい屈折矯正手術として現在注目されているのが、ICL手術です。

ICLは角膜を削らずに眼内レンズを移植し視力矯正を行う方法ですので、レーシックでは矯正が難しかった乱視の方でも受けることができるのが大きなメリットです。

ICLは本来近視治療で目の状態にもよりますが、実際に当院でICL手術を受けられた患者様で近視だけでなく乱視による見えづらさが解消されたケースは少なくありません。

もちろん個人差はあり、一概には言えませんが適応年齢範囲内の若い世代の方の場合、一つの選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

ICL手術のご案内はコチラ

乱視矯正は見え方を良くするということです。

見え方の質を追求するには屈折矯正が大切で、当院が白内障の日帰り手術はもとより、ICL手術に力を入れているのはそのためです。

以前に比べると日帰り手術は、低侵襲でなるべく体に負担の少ない方法になって来ただけでなく、より良い見え方の質を求めることが可能になってきました。

個人差はありますし見え方に完全を求めることは難しいですが、少しでもより良い状態を目指すことができるよう、当院では最新の手術機器および検査機器を用いて患者様の目を守れるよう、スタッフ一同研鑽に努めています。

お気軽にお問い合わせください。