眼科ブログ

硝子体出血の原因と見え方、治療法について

最近、見え方の低下を自覚して新規来院された患者様が精密検査をした結果、硝子体出血が原因ということが増えています。

今日は硝子体出血について、少しまとめておこうと思います。

硝子体出血を引き起こす原因

硝子体とは眼球内、つまり網膜で囲まれている内側ですね、その大部分を占めている透明でゼリー状の組織のことです。

この硝子体自体には血管がないため、血液が流れているわけではありません。当然、出血もないわけです。

しかし、眼底(眼球の奥のことです)などから出血することにより、その血液が硝子体内に溜まるケースがあります。これが硝子体出血と呼ばれているものです。

硝子体出血を引き起こす原因となる疾患はさまざまですが、一番多いのは新生血管からの出血によるものです。
糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症、加齢性黄斑変性などの網膜の病気が進行すると、周辺の血管がダメージを受けてしまい、網膜に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなります。

この時、私たち人間の体は緻密なメカニズムで出来ていますから、栄養や酸素を何とか網膜に届けようとして、新しい血管を作ってくれます。

これが新生血管と呼ばれるものですが、新生血管は脆くて破れやすく、出血にすぐ結びついてしまう特徴を持っています。

この新生血管が網膜の内部にまで入り込み、出血をしてしまうことが硝子体出血の一番の原因です。

新生と言うと、通常は良いものを意味するように感じられるかもしれませんが、目の中で発生する新生血管はとてもやっかいなものです。

その他にも、硝子体出血を引き起こす原因となる疾患は、裂孔原性網膜剥離、後部硝子体剥離、網膜細動脈瘤、ぶどう膜炎、外傷などがあります。

網膜の病気がほとんどと思われるかもしれませんが、原因が特定できないことも少なくありません。
これは技術うんぬんではなく、硝子体出血によって眼内の正確・精密な観察が妨げられるためです。

硝子体出血の症状と治療法

症状についてですが、硝子体出血の量によって異なります。

出血が少ない場合は、その血液の影によって黒い点や浮遊物があるような症状「飛蚊症」を感じます。

出血が多い場合は、光が出血で遮られて網膜に届かなくなりますので、飛蚊症だけでなく霧の中でものを見ているように感じる症状「霧視(むし)」や、視力低下などを起こします。

また、それ以上に出血が多い場合や、網膜剥離や網膜静脈閉塞症といった重篤な目の病気が原因で硝子体出血が起こっている時は、何よりも早期発見・早期治療が必要で、放置していると失明に至ることもありますので注意してください。

硝子体出血の治療は、その原因となっている疾患によって異なります。

特に網膜剥離が起きているかどうかは重要なポイントで、当院では精密検査を行い、硝子体出血が起きている原因をできるだけ正確に鑑別し、治療プランを立てることに努めています。

見え方の質を守るためには早期発見・早期治療が大切

網膜剥離が起きている場合は緊急性を要しますので、失明や視力低下をできるだけ防ぐためにも、患者様が速やかに硝子体手術を受けられるよう対応しています。

手術前には目の奥がどうなっているかは出血で遮られているため、診察で完全にはわかりません。

また、硝子体手術後に白内障が進行しやすいため、治療効果を上げることを目的に白内障との同時手術を行うケースもあります。

目の状態は日々変わります。硝子体出血が起きている場合、視力に関わる網膜の黄斑部に影響が出てしまうと、硝子体手術後も良好な視力を維持することはかなり難しくなります。

目の中のことは検査してみないと誰にもわかりませんので、飛蚊症や視力低下を自覚したらできるだけ早く眼科専門医を受診してください。ご参考になれば幸いです。

当院の網膜硝子体関連の治療情報はコチラ

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