眼科ブログ
以前、黄斑上膜には加齢が主な要因である「特発性黄斑上膜」と、網膜剥離や糖尿病網膜症など他の眼科基礎疾患に由来付随する「続発性黄斑上膜」の2種類があることをお知らせしたかと思います。どちらだから症状が重いとは一概に言えませんが、特発性黄斑上膜は数年かけてゆっくりと進行する場合が多いのに対し、続発性黄斑上膜は他の眼科基礎疾患が原因で起こるためか、進行が早いというのが現場で診療に携わっている者としては印象があります。
黄斑上膜の症状の一つである変視症はさまざまな眼疾患で起こるものですが、続発性黄斑上膜の場合、網膜剥離、黄斑変性、黄斑円孔、中心性漿液性脈絡網膜症、糖尿病網膜症に伴う黄斑浮腫、ぶどう膜炎など眼内炎症、網膜静脈閉塞症などの虚血性眼病変といった視力との関りが大きく、緊急性も要する症状に伴って起こるため、日々の変視症のチェックは重要です。変視症とは読んで字のごとく見えているものが歪んで見えることを意味していますが、それだけではありません。左右でものの大きさが違って見えることも含まれていることを覚えておいていただければと思います。いずれにしても、両目で見ていると気づきにくいものですので、右目と左目それぞれ片目ずつで見てチェックする必要があります。
変視症を簡単に発見できる検査方法が「アムスラーチャート」です。下にある碁盤のような図を、片目を必ず閉じた状態で30㎝ほど離れて、中心の点をまっすぐ見て下さい。メガネをかけている方はそのままで結構です。終わったら、もう片方の目で同じように図を見てください。
いかがでしょうか?
もし、次のような見え方をする場合、黄斑上膜だけでなく何らかの目の症状がある可能性が高いので、早めに眼科専門医を受診してください。
①図の中心が歪んで見える
②図の中心が薄暗く見える
③図が部分的に欠けて見える
黄斑上膜は、私たちが想像している以上に誰でも罹患する可能性のある目の病気であり、見え方に直結する病気であることをぜひ知っていただければと思います。ご参考になれば幸いです。
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