眼科ブログ
最近の特徴として、緑内障かどうかを一度チェックしてみようと来院される方が増えています。
よく質問されることの多い緑内障と眼圧の関係について、わかりやすくお話しできればと思います。
まず眼圧とは、読んで字のごとく眼の圧力なのですが、これは「眼の内側から外側にかかる圧力」のことを意味しています。
私たちの眼が球体であることはご存じと思いますが、球体を保つために眼の中では液体(房水と呼ばれるものです)が一定の圧力で循環しています。
この房水は球体を保つ以外にも、角膜や水晶体に栄養を届ける役割や、老廃物を排出する役割を果たしているとても優れた液体です。
この房水のバランスが一定に保たれている時は眼圧が安定しますが、何らかの理由でバランスが崩れてしまうと眼圧が上昇します。
房水が増えすぎて眼の中が張ってしまうこともあれば、その逆で排出がうまくいかずに溜まってしまうことで眼圧が上昇するケースもあります。
日本人の正常な眼圧の数値は、およそ「10〜20mmHg」と言われています。
数字に幅があると思われるかもしれませんが、眼圧は常に一定しているわけではなく、季節や周囲の環境によって変動します。
また、血圧と同じように一日の中でも変化します。
血圧と異なる点は、眼圧の場合、血圧と同じように毎日手軽に自分で測定することができないということです。
眼圧が高いまま放置していると、視神経が圧迫されてしまい、視力や視野に異常をきたすことになり、さまざまな眼病のもとになります。
なかでも眼圧の上昇に伴う最もポピュラーな眼病が「緑内障」です。
緑内障が日本人の失明原因の第1位であることは、すでに多くの方がご存じだと思います。
しかし、視野が狭くなる・視力が落ちるという自覚症状が初期段階では感じにくいため、眼科を受診する頃には症状が進行しているというケースが後を絶ちません。
緑内障の怖さは、一度失った視野を戻すことはできないという点です。
だからこそ、定期的に受診することで眼圧を確認することが、緑内障を早期発見・早期治療する上でとても大切なのです。
さらに「眼圧が正常=緑内障は大丈夫」というわけではありません。
日本人の緑内障の特徴として、特に眼圧が高くなくても緑内障になるケース(正常眼圧緑内障と言います)が約7割を占めると言われています。
これは視神経が弱くなっていることが原因と考えられています。
現代社会は知らず知らずのうちに目を酷使しがちになっており、見え方の質を保ち生活の質を維持するためには、定期的な眼科受診や健康診断が欠かせません。
緑内障を患うことで失った視野を元に戻すことはできませんが、進行を少しでも遅らせることは可能な時代です。
また、定期的に眼圧を測定していれば、何か変化があった時に迅速に対応することができます。
当院では、必要に応じて通常の眼圧検査(プシュッと空気を目にあてて非接触で測定する検査です)だけでなく、視野検査やOCT(眼底三次元画像解析)などを行うことで緑内障の早期発見・早期治療に努めています。
ご参考になれば幸いです。
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