眼科ブログ
和田眼科は2005年開院以来、患者様の術後の見え方の質にこだわり、白内障・ICL・網膜硝子体手術を中心に約7,000件の内眼手術を行ってきました。2021年の手術件数は総数766件で、過去最高を更新いたしました(手術件数に麦粒腫切開、レーザー光凝固療法などの外来小手術は含んでおりません)。当院が最も注力している白内障手術は465件、多焦点眼内レンズを用いた白内障手術は203件でした。
近年の特徴として、多焦点眼内レンズに関する問い合わせやご相談が増えていることがあげられます。なかでも昨年は世界初の5焦点眼内レンズ「インテンシティー」への関心が高く、2021年に当院が行った多焦点眼内レンズを用いた白内障手術の中で、最も患者様からのご希望が多かった眼内レンズでした。次に選定療養対象の3焦点眼内レンズ「パンオプティクス」、自由診療対象の3焦点眼内レンズ「ファインビジョン」となっています。
多焦点眼内レンズをご希望される患者様が増えていることの理由として、
①眼鏡やコンタクトレンズに頼ることなく、裸眼で快適な生活を送ることが期待できる
②老眼治療にも応用可能な眼内レンズであることがあげられるのではないかと思います。
また、以前より白内障手術後のライフスタイルを意識されておられる方が多いように見受けられます。その他、乱視矯正用の多焦点眼内レンズも充実してきていることも理由の一つでしょう。当院では2焦点+焦点深度拡張型眼内レンズ「エボルブ」、3焦点眼内レンズ「ファインビジョン」、5焦点眼内レンズ「インテンシティー」などトーリックタイプを有する眼内レンズのラインナップを可能な限り揃えるように努めています。
白内障手術は、医療技術・医療機器の進歩によって、多くの場合、基本的には短時間で終了することのできる手術です。使用する眼内レンズも単焦点・多焦点・乱視用タイプと多様化しており、患者様が手術後に望まれる見え方に沿った選択肢が増えつつあります。今では多くの眼科で白内障日帰り手術を行うことができるようになっていますが、それだけに白内障手術は習熟した技量が要求される手術といえます。
なかでも多焦点眼内レンズを用いた白内障手術、乱視を矯正するトーリックレンズを用いた白内障手術は、そうした技量が求められる手術です。白内障と同時に乱視を軽減するには、乱視の原因となっている歪みやひずみが起こっている方向に合わせて眼内レンズをセットする必要があるのですが、この時、眼内レンズの角度が1度回転すると、せっかく乱視矯正の眼内レンズを入れても乱視矯正の効果が3%失われてしまうと言われています。それだけ乱視用(トーリック)眼内レンズを用いる白内障手術はデリケートなため、あらゆる点で高度な手術技量が要求されます。白内障手術に乱視用眼内レンズを用いて見え方の質を追求するには、乱視成分の分析と補正が重要になります。当院では白内障手術に使用する眼内レンズの度数計算を精密に行う「IOLマスター700」、屈折度数はもちろん角膜形状やメガネでは矯正できない不正乱視成分まで簡単に測定できる「ウェーブフロントアナライザー」を取り揃えています。
また、眼内レンズの度数合わせ・軸合わせについては、手術前検査はもとより手術室に入る前の正確な乱視評価に加え、「術前マーキング法・術中位置角度確認」など、綿密に手順を重ねることにこだわっています。これまでのところ、多焦点眼内レンズを用いた白内障手術、乱視矯正眼内レンズを用いた白内障手術において患者様から満足度の高いお声をいただいています。当院で多焦点眼内レンズの乱視用タイプを用いた白内障手術が増えているのも、こうした手順の積み重ねを大事にしているからだと思いますし、スタッフ一同更なる研鑽に努める所存です。
なお、白内障手術で修正できるのは正乱視で角膜乱視成分になり、全ての乱視を矯正できるわけではありませんので、その点はご了承ください。当院では白内障手術無料説明会、多焦点眼内レンズ無料説明会を定期的に開催しています。わからないことがありましたらお気軽にお問い合わせください。ご参考になれば幸いです。
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