眼科ブログ

近視性黄斑症の治療と予防について

近視に対して、皆さまはどのようなイメージをお持ちでしょうか。

近視で視力が落ちても、メガネやコンタクトレンズで矯正すればそれでいいのでは、そうお考えの方も多いかと思います。確かに、ある程度まではそれで済むかもしれませんが、近視が進んで強度近視に至ると、さまざまな合併症が起こるリスクがあります。

なかでも、近視性黄斑症は近視の重篤な合併症の一つで、日本の失明原因の上位を占める疾患なので、注意が必要です。

網膜の中心にある黄斑が、ものを見る時に一番大切な部分であることは、すでにご存じの通りだと思います。
近視性黄斑症とは、この黄斑部が近視によって、障害が起きてしまうことです。

近視の方が、普段メガネやコンタクトレンズで矯正することで特に問題なく過ごされていても、あくまで近視を矯正しているだけで、近視が改善されたわけではありません。

近視が進行して強度近視に至り、さらに発症リスクが上がる近視性黄斑症に罹患すると、眼底の網膜が異常に菲薄化するため、その裏側から侵入してきた異常血管(脈絡膜新生血管)からの出血により、メガネやコンタクトレンズをしても、視力が出なくなってしまいます。最悪の場合、出血の程度によっては失明に至る病気なのです。

近視及び強度近視は、さまざまな眼疾患のリスクがあります。
現在のところ、これらのリスクを下げる治療や予防法はありませんが、近視の進行の程度や網膜の状態をきちんと鑑別し、早期発見・早期治療を行うことで、合併症が重篤になるリスクは軽減できます。

そのため当院では、より正確な検査と的確な治療を行うために、必要に応じて眼底3次元解析装置(OCT)だけでなく、光干渉断層血管撮影(OCT angiography:OCTA)を用いた検査を行っています。

視力を守るうえで一番大切な黄斑部の変化を侵襲なく、かつより本質的な機能検査が短時間で行うことができ、その結果を患者様にすぐにお見せして、説明することができるのが大きなメリットです。

近視性黄斑症はもちろん、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、加齢黄斑変性など、循環異常や異常血管を生じる疾患の精査に役立ち、全てが万能というわけではありませんが、原因がよくわからない視力低下などに多角的にアプローチできることは、早期発見・早期治療を行う上でとても有効だと考えています。

また、レーザーによる網膜光凝固術や抗血管内皮細胞増殖因子(抗 VEGF)薬の硝子体注射も行っており、硝子体手術が必要な場合は、網膜硝子体手術システム「BIOM(バイオム)®5」、硝子体手術装置「コンステレーション・ビジョンシステム」、眼科手術用顕微鏡「Proveo8」を組み合わせて使用することで、「MIVS(ミブス)」と呼ばれる低侵襲硝子体手術に努めています。

目の状態は日々変化するものなので、見え方がおかしいと感じた時は、なるべく早めに眼科専門医を受診するようにしてください。ご参考になれば幸いです。

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