眼科ブログ

白内障と緑内障を併発した場合の治療法について

先日、朝日新聞からの依頼で白内障と緑内障を併発した場合の治療法について原稿を執筆しました。本日の朝刊に載っておりますので、ご覧いただければ幸いです。

白内障も緑内障も加齢に伴って有病率が高くなる目の病気であることは、すでにご存じのことと思います。どちらが先に起こりやすいかということについては、目の状態によって変わりますので一概に言うことはできません。緑内障は何らかの原因によって視神経がダメージを受け、進行すると視野が狭くなる病気です。一度失った視野は現在の医療では取り戻すことができないため、当院では気軽に受けることができる自動視野計「アイモ(imo)」を駆使して緑内障の早期発見・早期治療に努めています。

白内障・緑内障ともに進行状況によって治療方法は異なります。基本的に白内障は日常生活に不自由を感じられたら濁った水晶体を人工眼内レンズに置き換える手術を行い、緑内障は眼圧を下げる目薬を点眼することで眼圧をコントロールし、緑内障の進行を遅らせます。最近では緑内障治療のために白内障手術を用いるケースも増えてきており、場合によっては白内障と緑内障の同時手術を行うことも珍しくありません。これによるメリットとして主に挙げられるのは次の通りです。

1.白内障手術で水晶体を入れ替えることにより狭い隅角が改善され、緑内障発作リスクを低減することができる

2.白内障手術で水晶体が透明になることで緑内障検査、特に視野検査やOCT、OCTAがしやすくなり、他の眼病の早期発見・早期治療に繋げることができる

3.白内障手術後に基礎眼圧が下がることで、緑内障治療用の点眼薬の数を減らせる可能性がある

コロナ禍の社会状況を考えると、緑内障発作リスクを軽減することはもちろん、緑内障治療用点眼薬の数を減らせる可能性があることは、非常に大きいのではないかと考えています。もちろん、白内障の程度や緑内障の病型、眼圧や視野の進行程度などをよく見極め、患者様のライフスタイルや求めておられる見え方の質などを総合的に考えて判断することは言うまでもありません。当院ではトラベクロトミーマイクロフックという手術機器を用い、結膜・強膜を切開しない低侵襲緑内障手術「MIGS(ミグス)」に努めることで、白内障と緑内障の同時手術を実施しています。早いもので今年も残り三カ月を切りました。季節の変わり目ですので、くれぐれもご自愛ください。

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