眼科ブログ
ゴールデンウィークが明けると当院では木曜日、土曜日、来週火曜日と手術日が続きます。今日は患者様やご家族の方からよく質問をいただく「白内障の手術時間」についてお話させていただきます。目の手術は安全面からご家族の方にお越しいただく機会が多くありますが、「どのくらい手術に時間がかかるのか」ということは白内障手術を受けられる患者様はもちろん、付き添われるご家族の方にとって一番の関心ごとと言えるでしょう。待合室で待つ時間やその日の予定を立てる上でも必要な事柄ですから当然のことと思います。
白内障手術は通常片目10~15分程度で終了する手術ですが、手術時間についてぜひ患者様もご家族の方も知っておいていただきたいことがあります。
それは「手術時間はあくまで目安」だということです。
白内障手術は濁った水晶体を細かく砕いて取り除き、その代わりに眼内レンズを入れる手術ですが、この眼内レンズを支えるために水晶体のふくろは残します。このふくろを支えているのがチン小帯という目の筋肉ですが、患者様の中にはこのチン小帯が弱っている方もいらっしゃいます。そのため手術の難易度が上がり、通常より時間がかかるケースがあります。チン小帯が弱くなる理由は加齢や外傷に基づく場合が主なものです。見えづらさを感じて日常生活に支障が出るようになれば、それを放置せずに白内障手術を受けた方がいいと医師が勧める理由は、白内障手術時のリスクを少なくするためでもあります。
事前にチン小帯が弱まっているかどうかはある程度予測はできますが、正確な状態は手術時にしかわかりません。お待ちになっているご家族の方からすれば予想より手術時間が長くなると不安にお感じになられるかもしれませんが、当院はチン小帯が弱いケースでも十分な対応ができる手術システムを整えており、慎重に対応して正確な白内障手術を行っておりますので、ご安心いただければと思います。
日本において年間100万件あると言われる白内障手術は完成された標準術式があり、手術自体は通常片目10~15分と比較的短時間で終了するものです。しかし「手術時間が短い=難易度やリスクが低い手術」ではありません。目の状態は人それぞれですし、術後の視界の質を高めるために注意すべき点もたくさんありますから、短時間だからいいというわけではないのです。一番大切なことは患者様の白内障手術後の「見え方の質」をできるだけ維持し、「生活の質」を守ることだと思いますし、そのお役に立てるよう当院はこれからも白内障手術に注力してまいります。ご参考になれば幸いです。
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