視力低下につながるドライアイに注意しましょう

最近、目がゴロゴロする、目が疲れやすいといった症状を訴えて来院される患者様が増えています。パソコンやスマートフォン、ゲーム機器の長時間使用、あるいはテレワークの普及もあって知らず知らずのうちに目を使いすぎていることが原因と言えます。

多くの方の場合、「ドライアイ」になっています。ドライアイとは、目を保護する役割を果たす涙の量が不足したり、涙の質が悪くなったりすることで目の表面が傷ついてしまう病気のことです。乾き目、かすみ目、疲れ目とドライアイの症状はさまざまです。また、病名にあるように目が乾くイメージがあるかと思いますが、涙が多く出てしまうこともドライアイの症状の一つです。ドライアイは「なみだの病気」と言ってもいいでしょう。

ドライアイを引き起こす原因は目の使い過ぎだけではなく、部屋の空調やコンタクトの使用状況、長時間の運転などさまざまです。特にこれからの時期は乾燥しやすくなってきますので、部屋にいる際は温度だけでなく湿度にも注意し加湿器なども考慮する必要があります。

ドライアイの治療は主に目薬を使用します。目薬には人工涙液やヒアルロン酸の他に、涙の質･量を改善する目薬などがあります。基本的には目薬を点眼していただき、涙の量を補うことと涙の質をよくしていくことで症状改善に繋げていきます。ドライアイがかなり重症化している場合、「涙点（るいてん）プラグ」というシリコンプラグや液状の物を涙点（涙の通り道）に挿入し、目の保護機能を維持する手術方法もあります。

ドライアイになっていても、「よく眠れば大丈夫だろう」ということで受診を伸ばした結果、症状が悪化してしまうことは珍しくありません。ドライアイは目の病気の中では比較的病名の認知度が高い病気ですが、重症化すると見え方の質の低下を引き起こすことについてはあまり知られていません。また、目に違和感を抱えたまま過ごしていると、仕事や日常生活にもいい影響を与えないものです。目の違和感が気になる時は、なるべく早く眼科専門医を受診して目の状態を確認した方がいいと思います。ご参考になれば幸いです。