眼科ブログ

黄斑の病気とストレスの関係について

朝夕めっきり涼しくなってまいりました。明日から10月ですが昔から「スポーツの秋」「読書の秋」「食欲の秋」など、過ごしやすくなるこの時期は新しいことを始めたり、やりたいことに集中するのにうってつけの時期と言えます。健康を保つためにストレスを溜めない生活習慣が大切ということはよく言われますが、それは目にとっても同様です。

なかでも働き盛りの方にとって、ストレスを貯めずに上手に生活を送ることは黄斑の病気予防に繋がります。例えば「中心性漿液性脈絡網膜症」という網膜の下から水が漏れてきて黄斑部に溜まる病気は働き盛りの方に多い病気で、仕事が忙しく睡眠不足だったり、人間関係のトラブルに悩んでいたりというストレスの高い状況の時に発症に影響しやすいといわれています。

この「中心性漿液性脈絡網膜症」という黄斑の病気の自覚症状は、ものが歪んで見える変視症、ものが小さく見える小視症、さらに進むと真ん中が見えにくくなる中心暗点と呼ばれる状態にまで悪化していきます。

 治療法は、目の状況にもよりますがだいたい3カ月から半年ぐらいで自然に治る場合があるため、内服薬などで経過観察をすることがあります。経過が長引いたり再発を繰り返す場合、レーザー治療などを検討します。

肉眼では見ることのできない目の奥の状況というのは非常にデリケートなものです。なかでも黄斑はその影響を受けやすく、心身ともに過剰なストレスを避け自律神経のバランスを整えることはとても大切なことです。それは、黄斑を守っている網膜色素上皮や脈絡膜といった部分や毛細血管に自律神経系の支配が関与しているからと言われているからです。

十人十色と言われるように、体の状況は人それぞれ違います。ストレスの感じ方も違いますし、適度なストレスはもちろん必要ですが過度なストレスが心身のバランスを崩すことはすでにご存じの通りだと思います。自律神経を整えることは目を守ることに繋がるということをご理解いただき、この秋何か新しいことを始められてみてはいかがでしょうか。ご参考になれば幸いです。

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