老視矯正多焦点眼内レンズ「パンオプティクス」と選定療養について

白内障手術において眼内レンズを選択する際に、大きく分けて単焦点と多焦点という2種類の眼内レンズがあることは、すでにご存じのことかと思います。

2020年3月までは、白内障手術において単焦点眼内レンズは保険適用なのに対し、多焦点眼内レンズは保険適用外というのが原則でした。

しかし、2020年4月から多焦点眼内レンズを用いる白内障手術が選定療養に指定されたことで、手術費用には公的保険が適用、眼内レンズの差額のみ患者様負担となり、費用負担が軽減されることになりました。

選定療養はすべての多焦点眼内レンズが対象というわけではありませんが、昨年薬事承認されたばかりの新しい多焦点眼内レンズも含まれています。それが日本初の白内障治療向け老視矯正多焦点眼内レンズとしてアルコン社が発売した「パンオプティクス」です。

一口に多焦点眼内レンズと言っても、近方と遠方の2か所にピントが合う2焦点と、近方・中間距離・遠方の3か所にピントが合う3焦点があります。「パンオプティクス」は3焦点眼内レンズで、さらに乱視を同時に矯正する「パンオプティクス トーリック」も薬事承認を受けています。

選定療養の導入によって、患者様ご自身の意思による眼内レンズ選択の幅は広がりました。

白内障治療は、単に手術して白内障の濁りを取り除き見えやすくするだけでなく、その後の生活を考えた見え方の質を求められる時代になっていると言えるでしょう。

白内障に用いる眼内レンズにはいろいろな種類があり、少しでも患者様のご希望に沿えるよう、当院では複数の単焦点・多焦点（2焦点・3焦点）・乱視矯正の中からお選びいただけます。もちろん、「パンオプティクス」および「パンオプティクス トーリック」も取り扱っております。ご興味のある方は白内障院内説明会も定期的に行っておりますので、ぜひご参加ください。