眼科ブログ

CO2(炭酸ガス)レーザーを用いた眼瞼下垂手術について

眼瞼下垂の基礎知識

眼瞼下垂とは、読んで字のごとく「眼瞼」が下垂してしまうことで、わかりやすくいえば上まぶたが垂れ下がってきた状態のことです。

上まぶたが垂れ下がってくることで、きちんと目を開けているつもりでも十分ではなく、視界が狭くなったり、ものが見えづらくなったりします。

この眼瞼下垂という病気には、先天性のものと後天性のものがあります。
先天性の場合は、何らかの原因で生まれつきまぶたを引っ張り上げる筋肉が、発育異常を起こしている場合です。

後天性の場合は、次の3つの種類があります。

  1. まぶたを引っ張り上げる筋肉は正常でも、それに付着する腱膜が弱まっていることが原因のもの
  2. 重症筋無力症など筋肉自体が異常を起こしているもの
  3. 筋肉は正常でもそれを支配する神経が異常を起こしているもの

いくつか種類があって、どの場合なのかお悩みになられるかもしれませんが、多くは加齢に伴い腱膜が弱まってしまうことで、眼瞼下垂を起こしているケースです。
他には、ハードコンタクトレンズの長期着用などが、原因としてあげられます。

眼瞼下垂の治療法

腱膜が原因の眼瞼下垂は、局所麻酔による日帰り手術が可能です。
当院では、CO2(炭酸ガス)レーザーによる眼瞼下垂手術を行っています。

従来の治療法とCO2レーザーを用いた治療法との違いは次の通りです。

1.出血が少なく、皮膚の負担が少ない

従来、手術時にメスなどで皮膚を切開しまぶたを上げる上眼瞼挙筋を出した際に、出血が多くなるなど皮膚への負担が大きくありました。

また、多出血のため術野が見えにくくなることも多かったのです。
これに対して、CO2レーザーを使用した場合、出血が少なく術野の確保もスムーズで、より正確な手術を行うことができます。また、皮膚への負担も軽減されます。

2.以前と比較した場合、術後の見た目がキレイ

従来の電気メスを使用した手術では、皮膚が炭化して焼け焦げができる場合がありました。
CO2レーザーを使用した場合、皮膚の炭化が起きにくく術後の見た目がキレイなことが大きな特徴です。

眼瞼下垂手術後の注意点

手術後は、目をこすったり触ったりは決してしないでください。

まぶたは腫れやすい組織ですので、術後一時的に腫れたり内出血を起こしたりしますが、通常は1~2週間程度で少しずつ引いてきます。

個人差はありますが、2~3ヶ月で腫れはかなり治まってきます。

生活面に関しては、手術の翌日から軽めの日常生活がご自宅で可能となります。

また、眼瞼下垂手術は美容整形手術ではなく、あくまで目の機能回復を目的とした手術です。

言い換えれば、眼瞼下垂は保険適用になる目の病気となります。

ただし、眼瞼下垂の状態が軽度の場合は、保険での加療が適用にならない場合がありますので、あらかじめご了承ください。

眼瞼下垂手術の費用ですが、健康保険適用が可能な場合、1割負担の方で片目 約8,000円、2割負担の方で片目 約1万6,000円、3割負担の方で片目 約2万4,000円です。
まぶたが下がってしまうと、目が疲れやすくなったり、見えにくくなったりして精神的にもいい影響を与えません。
見えやすさを保つことも、健やかな生活を送る上で大切なことだと私は思います。

ご参考になれば幸いです。

眼瞼下垂の詳しい説明と手術についてのご案内

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