今週は世界緑内障週間です

世界緑内障週間とは、世界緑内障連盟と世界緑内障患者連盟による「緑内障を多くの方に知ってもらうとともに、緑内障の早期発見・早期治療につなげる」取り組みのことです。

日本はもちろん世界各地で緑内障の啓発に関するさまざまなイベントが行われる予定でしたが、残念ながら新型コロナウイルスの影響で中止されたものも少なくありません。

緑内障は視野が徐々に欠けていく目の病気で、日本における視覚障害の第1位を占める病気です。およそ40歳以上の日本人の20人に1人は緑内障に罹患していると推定されていますが、約9割の人は治療を受けていないと言われています。

その理由ですが、普段人間は両方の目でものを見ているため、片方の視野が少し欠けていても、もう片方の目がカバーしてくれています。両目で見ていて視野が欠けているという自覚症状が出てくる頃には、かなり進行している状態の場合もあります。

緑内障は視神経に障害を受けることで一度視野が欠けてしまうと、元には戻せない病気であることが特徴です。そのため、早期発見・早期治療が何よりも大切になります。医療機器の進歩に伴い、最近は簡単な検査で緑内障をわかりやすく診断することができます。

緑内障の治療は点眼薬で眼圧を下げ、眼圧をコントロールすることで緑内障の進行を遅くすることが中心です。症状にもよりますが、複数の点眼薬を使用する場合や、眼圧のコントロールが難しいようであればレーザー手術や外科的手術を検討します。手術をしたからといって失われた視野が元に戻ることはありませんが、緑内障の進行を防ぎ少しでも生活の質・視覚の質を維持するために患者様の目の状態に合わせた適切な治療の提供に努めております。40歳以上になれば定期的な眼科受診を心がけていただければと思います。