眼科ブログ
最近、家電ショップに行った際、たまたまテレビのコーナーを見ましたが、たくさん種類がありますね。いろんな性能や機能があってどれを選べばいいのかわからないくらいです。今年は日本でカラー放送が始まってちょうど60年だそうで、まだまだ進化していくのでしょうか。
色の名前が入っているものはさまざまありますが、目の病気も白内障や緑内障など色の付く病名が結構あります。なかでも加齢とともに最近増えているのが「加齢黄斑変性症」です。「黄斑」というのは眼球の奥にある網膜の中心部のことで、ものを見たりする時に重要な役割を果たしています。この部分が年齢を重ねるとともに障害が起きてしまう病気が、加齢黄斑変性症です。
症状としては、「中心が暗い、黒くなる」「物が小さく見える」「ゆがんで見える」などが特徴です。放置していると失明に至る可能性もあり、早期発見・早期治療が大切です。また、傾向としては男性に多くみられ、喫煙者に多いと言われています。
加齢黄斑変性症になる原因は、網膜の下部にある脈絡膜から新生血管の増殖・成長が起こることで、新生血管からの出血や漏出が生じることです。タイプとしては、滲出型と萎縮型があり、滲出型の加齢黄斑変性症の場合は新しい治療法の登場で改善が期待できますが、萎縮型の場合は、残念ながらまだ効果的な治療法がありません。
加齢黄斑変性症を引き起こす物質は、VEGF(血管内皮増殖因子)と呼ばれるものなのですが、このVEGFの働きを抑制する薬剤を目の中(硝子体腔)に注射することで、新生血管の成長を抑え血管成分の漏れを減らす新しい治療法が「抗VEGF薬治療」です。この治療法は、「糖尿病網膜症(糖尿病黄斑浮腫)」「網膜静脈閉塞症」などにも有効と言われています。硝子体注射の所要時間は目の状態にもよりますが、多くの場合、約2~3分で終わります(他に術前術後の時間がありますからトータルではもう少しかかります)。
加齢黄斑変性症の予防には、抗酸化物質、亜鉛、ルテインの摂取や禁煙がおすすめです。目を酷使しがちな現代社会ですが、大切な目を守るためにできることから少しずつ始めていきましょう。おかしいなと思ったら、お近くの眼科専門医にご相談ください。
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