多焦点眼内レンズは誰に向いている？向かない人の特徴も解説

白内障手術は、水晶体の代わりに「眼内レンズ（IOL）」を置き換える手術です。
眼内レンズの種類は、大きく分けて単焦点レンズと多焦点眼内レンズの2つの選択肢があり、最近ではメガネに依存した生活を解消したいなどの思いから、多焦点眼内レンズを選択する人も増えています。

しかし、多焦点眼内レンズが誰にとってもベストな選択肢とは限りません。
今回は、多焦点眼内レンズが向いている方・向いていない方の特徴をわかりやすくご紹介します。
これから白内障手術を受けようと考えている方に、参考にしていただければ幸いです。

多焦点眼内レンズとは？

多焦点眼内レンズは、1枚のレンズの中に複数の焦点（遠・中・近）を持たせた特殊なレンズです。
これにより、メガネをかけなくても様々な距離にピントを合わせることができる可能性があります。

単焦点レンズとの違いは？

多焦点眼内レンズが向いている人の特徴

・メガネをあまり使いたくない方
外出先や旅行中にメガネをかけたり外したりするのが煩わしい…という方には大きなメリットです。

・老眼も一緒に解消したい方
近くを見る力（調節力）が低下してきた方にとって、多焦点レンズは老眼鏡の代わりになる可能性があります。

・日常生活で「近く・中間・遠く」全ての距離を見る機会が多い方
パソコン作業、スマートフォン、料理、運転など、バランスよく目を使う方に向いています。

・多少の見え方の違いに順応できる方
多焦点レンズでは、まぶしさや光のにじみ（ハロー・グレア）を感じることがあります。
これらを「そういうもの」と受け入れられる方には向いています。

・医師の説明を理解し、自分で納得して選べる方
特性を理解したうえで「自分のライフスタイルに合っている」と思える方は、満足度も高くなる傾向があります。

多焦点眼内レンズが向かない（注意が必要な）人の特徴

・夜間に車の運転をよくする方
夜間に光がにじんで見える「ハロー・グレア」が気になる場合があります。

夜間運転を重視する方には慎重な判断が必要です。

・強い乱視がある方
乱視の程度によっては、多焦点レンズでは十分な矯正ができないことがあります。

・網膜疾患など、眼の他の病気を抱えている方
黄斑変性や糖尿病網膜症など、視力に影響を与える病気があると、多焦点レンズの性能が発揮できない可能性があります。

・「細かく、くっきり見たい」と強く希望する方
多焦点レンズは幅広い距離に対応できる分、「一点に対する鮮明さ」では単焦点レンズに劣る場合があります。

・費用を抑えたい方
多焦点レンズは原則として保険適用外となるため、手術費用が高額になることがあります。

レンズ選びは「視力」だけでなく「生活」に合わせて考えましょう

多焦点眼内レンズを選ぶかどうかは、単に「メガネを使いたくないかどうか」だけでなく、日常生活のスタイルや価値観も大きく関係します。

• 外出が多く、メガネの着け外しを面倒に感じる
• スマホや読書など、近くを見る時間が長い
• 細かい作業や夜間運転が多く、視界の質にこだわりたい

このようなライフスタイルの違いによって、ベストな選択肢は人それぞれです。

まとめ｜後悔しないために大切なのは「納得感」

多焦点眼内レンズは、白内障手術後の生活を快適にする選択肢のひとつです。
しかし、全員にとって完璧なものではありません。

大切なのは、レンズのメリット・デメリットをよく理解し、納得したうえで選ぶことです。
そして、自分の生活に合った見え方とは何かを考えることです。

和田眼科グループでは、今津本院・夙川分院ともに、白内障手術や眼内レンズに関する無料説明会を定期的に行っています。

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