眼科ブログ
最近、白内障手術無料説明会の時に、「多焦点眼内レンズと単焦点眼内レンズの違い」のご質問をいただくことが増えていると、担当スタッフから報告を受けました。
今日は、多焦点眼内レンズと単焦点眼内レンズの違いについて、少しまとめてみようと思います。
単焦点眼内レンズはその名の通り、「一つの距離にピントを合わせるレンズ」です。
これに対して多焦点眼内レンズは「一つだけではなく、複数の距離にピントを合わせるレンズ」のことです。
複数といっても2か所なのか、3か所なのか、最近では5焦点眼内レンズ「インテンシティー」も登場しており、それぞれ特徴があります。
また、単焦点・多焦点ともにメーカーによっては乱視矯正タイプのレンズがあり、眼内レンズの選択肢が広がっていることも、白内障手術を検討される際に知っていただきたいポイントです。
白内障手術費用には、「保険診療」「選定療養」「自由診療」の3つのカテゴリーがあります。
ざっくり言えば、単焦点眼内レンズは「保険診療」、多焦点眼内レンズは「選定療養」もしくは「自由診療」とお考えいただくのが一番わかりやすいかと思います。
具体的なそれぞれのカテゴリーについて説明します。
まず、単焦点眼内レンズは健康保険適用で、白内障手術費用や検査、投薬も健康保険対象となります。
お持ちの健康保険や高額療養精度の利用によって費用が変わることは、すでにご存じのことかと思います。
次に「選定療養」ですが、それまで先進医療対象だった多焦点眼内レンズが先進医療除外となったことで、2020年4月から導入されている新しい制度です。
「白内障手術費用(健康保険)」+「選定療養対象の多焦点眼内レンズ費用」とお考えください。
最後に「自由診療」ですが、その名の通り健康保険対象外です。
白内障手術費用、選定療養対象外の多焦点眼内レンズ費用、術後1か月間の検査・投薬費用のトータルとなります。
詳しくは、和田眼科グループがホームページで公開しているこちらの図をご覧ください。
https://www.wada-ganka.com/cataract/price.html
(白内障の手術費用について)
よく誤解されがちなのですが、保険診療の単焦点眼内レンズだから質が悪い、選定療養もしくは自費診療の多焦点眼内レンズだから質が高いというわけではありません。
レンズの性質の違いであって、それぞれメリットとデメリットはありますし、適応可能かどうかということもあります。
単純に手術の費用ということであれば、単焦点眼内レンズは保険診療ですから一番安価です。
しかし、単焦点の場合は近方か遠方、いずれかにしかピントを合わせることはできませんので、基本メガネや老眼鏡が必要になります。
最近は定年後の再雇用、時々働きながらスポーツを楽しみたい、あるいはパソコンを使って起業してみたいなど、高齢者のライフスタイルは以前と大きく変化しています。
白内障手術後の人生も長くなっていますから、メガネや老眼鏡を作り替える費用や、そもそも老眼鏡をかけるのは老化しているようで嫌だなど、さまざまな理由からトータル的な費用を考慮して、複数にピントが合う多焦点眼内レンズを選択される患者様が増えているのが、ここ数年の当院の傾向です。
一番大切なことは、どのレンズを使用するのかが先に来るのではなく、患者様のライフスタイルやご意向などをよくヒアリングして、精密な検査を行い患者様の目の状態に一番適したレンズをご提案し、ご納得のいく眼内レンズ選びをしていただくことだと、私たちは考えています。
そのため、和田眼科グループでは取り扱っている眼内レンズを、できるだけわかりやすいようにホームページで公開するようにしています。
単焦点眼内レンズも多焦点眼内レンズも、どこのメーカーのものなのか、どういうところに特徴があるのかなどを、きちんと提示しておくことが大切だと思っています。
こうした情報提供に努めることで、近畿圏はもちろん、全国各地からお問い合わせをいただくことが増えてきました。
特に学童期から強度近視のため、メガネやコンタクトレンズで過ごされてきた方の場合、白内障手術を行う時にメガネやコンタクトレンズから解放されたいとの思いで、多焦点眼内レンズをお選びになる方が増えているように思います。
和田眼科グループは開院以来、術後感染ゼロを継続中で、安心・安全な白内障手術に努めています。
白内障手術無料説明会、眼内レンズ無料説明会も、今津駅前の本院・夙川院ともに定期的に開催していますので、わからないことがあればご相談ください。
ご参考になれば幸いです。
お問い合わせ
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