白内障の早期治療の大切さについて

最近の傾向として、セカンドライフを意識してのことなのか、以前より早めに白内障手術を検討されている患者様が増えています。

今日は、白内障の早期治療の大切さについて、少しまとめてみようと思います。

白内障の進行に伴い、手術の難易度は上がります

加齢に伴う白内障の場合、白内障が進行するスピード自体は、かなりゆっくりしているのが通常です。

しかし、進行がゆっくりだからといって、水晶体の濁りが解消されるわけではありません。

むしろどんどん強くなっていき、白内障が自然治癒することはなく、最終的には手術が必要となります。

白内障が進行するにつれ、視界のかすみや光の眩しさ、ものが二重、三重に見える複視など、さまざまな症状が出てきます。

また、それとともに水晶体は透明な色から白く濁るだけでなく、黄茶色に濁りが強くなっていき、さらに核硬度の進行と呼んでいますが、水晶体自体が硬くなっていきます。

手術を執刀する側の医師の立場から正直に言いますと、白内障が進行している場合の手術は、通常の白内障手術と比べて、少し手間や時間がかかります。

特にかなり進行した白内障で核硬化が進んでいて、手動弁（手のひらを目の前で上下に動かし、動きの方向を確認する方法）を行うぐらい視力低下が進んでいる場合では、安全・安心な手術に努めていても、手術リスクは若干高くなります。

白内障が進行しきる前に、眼科で目の状態を確認しておくことが、そういったリスク軽減に繋がります。

見え方を維持することは、とても大切なことです

普段意識することはあまりないかもしれませんが、私たちは日常的に行動する時、まず目で見て安全かどうかを確認してから動き出します。

いわゆる「目視」というもので、目がよく見えているということはとても大事なことなのです。

白内障という病気自体は、進行しても命に関わる病気というわけではありません。

しかし、白内障が進むことで見えづらさは増していき、見えづらくなることでさまざまな危険も増してしまいます。

例えば、地震や台風などの災害時、突如停電が起こったりします。

そうした際に見えづらいことで転倒などのケガ、二次災害を引き起こす可能性があります。

また、車を運転している時に、見えづらさから事故に繋がってしまうことも考えられます。

その他、バリアフリー化が進んで歩きやすくなっているとはいうものの、ちょっとした段差などは少なくありません。それに気づかず踏み外してしまう可能性もあります。

家の中でも同様で、特に高齢者の方は、足腰が衰えたり骨粗鬆症などを患っているケースも多いですから、つまずいたり転んだりして骨折することも珍しくなく、それがきっかけで寝たきりになってしまうこともあります。

したがって、見えづらさを放置して、プラスに働くことはほとんどないと言っていいでしょう。

白内障放置による進行･硬化と白内障手術リスク

白内障の早期治療で健やかな生活を

私たち白内障手術眼科医は、どのような難しい白内障手術であっても全力を尽くし、患者様にとって最大限の良い結果が得られるよう努めております。

一方、「もっと早く手術を検討されていたら、もっと満足度の高い治療が提供できたのに」と思うことがあるのも事実です。

景色もよく見えないから旅行どころか外出もめったにしなくなった、近所の買い物も値札が見にくいというので代わりに行くようになった、というようなお話を白内障の患者様やご家族の方から聞くことは珍しくありません。

加齢とともに目の機能が衰えていくのは避けられないことですが、ほとんどの人が罹患する白内障を早期発見・早期治療することで、生活の質・見え方の質を維持するとともに、健やかな生活を送ることができます。

当院では、白内障手術無料説明会、眼内レンズ無料説明会を定期的に開催していますので、わからないことがありましたらお気軽にお問い合わせください。ご参考になれば幸いです。

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