眼科ブログ
白内障はお一人おひとり異なりますが、加齢とともにほとんどの方がなる病気です。
基本的に一度きりの手術ですし、その後のお仕事やご趣味などのライフスタイル、またお求めになる見え方の質をふまえて、眼内レンズの種類を選択する時代になっています。
そうした中、当院における白内障手術の特徴としてあげられるのが、5焦点眼内レンズ「インテンシティー」の増加、乱視矯正(トーリック)タイプの増加です。
今年の前半を振り返っても、白内障日帰り手術265件のうち、多焦点眼内レンズを用いた白内障手術は166件と白内障手術全体の63%を占め、そのうち「インテンシティー」が79件と大きく増加しました。
また、全体として乱視矯正タイプの眼内レンズが増加する中、「インテンシティー」の乱視矯正タイプは44件と、すでに昨年1年間の数字を上回りました。
先日も、白内障手術すべてが、乱視矯正タイプという手術日がありました。
たまたま重なっただけとも言えますが、患者様に納得のできる眼内レンズ選びをしていただけるよう、単焦点・多焦点を問わず、乱視矯正タイプを有する眼内レンズをできるだけ多く取り揃えてきた当院の成果が、反映されている結果だと思っています。
乱視とは、ものが二重に見える状態のことで、角膜と水晶体の球面形に歪み・ひずみがあることで起こります。
白内障手術後の見え方の質を追求するには、乱視成分の分析と補正が重要です。
そのため、当院では白内障手術に使用する眼内レンズの度数計算を精密に行う「IOLマスター700」、目の見え方についてさまざまな角度からシミュレーションと解析を行い、屈折度数や乱視成分を簡単に測定できる「ウェーブフロントアナライザー」などの検査機器を取り揃えています。
また、白内障と同時に乱視を軽減するには、歪みやひずみが起こっている方向に合わせて、眼内レンズをセットしなければなりません。
この時、眼内レンズの角度が1度回転すると、せっかく乱視矯正の眼内レンズを入れても、乱視矯正の効果が3%失われてしまうと言われています。
したがって、乱視用眼内レンズを用いる白内障手術は非常にデリケートなため、あらゆる点で高度な手術技量が必要です。
当院では、より精度を高めて安心・安全な白内障手術を提供し、手術後の見え方の質をよくするために、眼科手術用顕微鏡「Proveo8」、白内障手術装置「センチュリオン・ビジョン・システム」を使用しています。
これまでのところ、乱視矯正タイプの眼内レンズを用いた白内障手術においても、おおむね満足度のいく結果が得られており、スタッフ一同更なる研鑽に努める日々です。
なお、白内障手術で修正できるのは正乱視で角膜乱視成分になり、全ての乱視を矯正できるわけではありませんので、その点はご了承ください。
当院では、さまざまな眼内レンズの選択肢をこれからも増やしていければと考えています。
もちろん、多焦点眼内レンズ、乱視矯正タイプの眼内レンズが魔法のレンズで絶対的な方法というわけではありません。
適応かどうかの精密な検査、患者様のライフスタイルやご希望をよくうかがい、総合的に判断してのご提案ですのでご安心ください。
「この眼内レンズしかない」と思われていた患者様が、「こっちの眼内レンズにしてよかった」と手術後にご感想をいただくことも少なくありません。
目の状況にもよりますが、最適な眼内レンズをお求めになりたい方のために、少しでも貢献できればと思います。
当院では、眼内レンズの選択を含めた白内障手術全般の無料説明会も、定期的に開催しています。
手術を受けられる方だけでなく、手術を検討されている方、白内障手術がどういうものか知りたい方などでも参加できます。
わからないことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
ご参考になれば幸いです。
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