眼科ブログ

黄斑上膜(黄斑前膜)の日帰り手術について

最近の特徴として、網膜・硝子体手術を必要とする症例が増えています。
なかでも、黄斑上膜(黄斑前膜)に罹患されている患者様が、当院でも増加傾向にあります。

今日は、黄斑上膜の日帰り手術について、少しまとめておこうと思います。

黄斑上膜を引き起こす原因

網膜は、カメラでいえばフィルムの部分にあたり、光を感じ取る役割を果たしています。

黄斑はその網膜の中でも、特に物体をはっきりと感じ取る役割を担っている部分です。
この大切な部分である黄斑の上を、セロファン状の膜ができて覆ってしまうことで、視力の低下やものがゆがんで見えるなどの症状が起こる病気を、黄斑上膜と呼びます。

黄斑上膜を引き起こす原因はさまざまで一概には言えませんが、最も多いのは加齢に伴うものです。
そもそも網膜というのは、眼球の内側を裏打ちする神経でできている膜のことですが、健康的な方でも中高年以降になると、眼球の大部分を占める硝子体が網膜から離れていきやすくなります。
この時、硝子体の一部が網膜から離れずに黄斑に残り、分厚くなってしまうことによって黄斑上膜を引き起こします。

目の一番奥で起きている病気である黄斑上膜かどうかを診断するには、通常の視力検査や眼圧検査だけではなく、直接眼底の状態を見る眼底検査や網膜の断面を撮影できるOCT(光干渉断層計)が欠かせません。

当院ではOCTを完備しており、黄斑上膜の早期発見・早期治療に努めています。

黄斑上膜は経過観察が重要です

黄斑上膜はすぐに手術が必要というわけではありませんが、放置していると黄斑部に浮腫や円孔を作ってしまうことがあり、網膜剥離をはじめさまざまな病気を引き起こす可能性があります。
したがって、手術を急がない場合でも定期的な検査によって進行が進んでいないかどうか、黄斑上膜の状態を確認しておくことが大切です。

現代の医学では黄斑上膜は自然に治る病気ではありませんので、視力低下やものが歪んで見えるといった自覚症状がひどくなった場合には、黄斑上膜を取り除き症状を改善させるために硝子体手術を行います。
個人差がありますので、手術後の網膜の状態によっては、眼球内にガスを入れる必要があり、手術後にうつぶせの状態をとっていただくことがあります。

見え方の質を守るために

高齢化がますます進むとともに、社会の複雑化・多様化もあって、知らず知らずのうちに目を酷使しがちな時代です。
黄斑上膜をはじめ、網膜・硝子体手術の必要のある眼疾患も増えてくることが予想されますし、目を守ることはこれまで以上に大切になっています。
当院では、これからも患者様の目の健康への不安を取り除き、快適な生活を送っていただくために、スタッフ一同さらに研鑽を積んで日々の診療に活かしていく所存です。

わからないことがありましたら、ご相談ください。ご参考になれば幸いです。

黄斑上膜(網膜前膜)についての詳しいご案内

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