眼科ブログ

白内障と楽器演奏、多焦点眼内レンズの効用について(診察時・手術後の感想から)

当院の昨年の白内障手術実績とその特徴

2022年の当院の白内障手術 は541件と過去最高を記録し、初めて単焦点より多焦点眼内レンズの割合が上回ったことが大きな特徴でした。
見えづらさを自覚されて検査を受けた結果、白内障手術が必要となり、眼内レンズをお選びになる際、手術後のライフスタイルを踏まえた眼内レンズ選びはますます重要になっています。

白内障手術は基本的に一度きりの手術ですから、当院では、患者様に納得のいく眼内レンズ選びをしていただけるよう、単焦点・多焦点を問わず多くの選択肢を準備し、患者様が手術後に望まれる見え方の質を、可能な限り追求してきました。

今後もスタッフ一同、更なる研鑽と有効な情報発信に努め、この流れを継続していく所存です。

ピアノ、フルートなど楽器演奏と目の焦点距離の大切さ

近年の傾向として、多焦点眼内レンズを選択される方は、ゴルフやテニスなどスポーツを楽しみたい方や、ピアノを始め楽器演奏を行っておられる方が増えているのが特徴です。

「譜面を見ながら、手元の楽器も演奏するには、どの眼内レンズがいいのか」といったご質問は、診察時や白内障手術無料説明会でよくある質問の一つです。

一口に楽器演奏と言っても、ピアノやオルガンの場合と、バイオリンやフルートなどスタンドを立てて演奏する場合とでは、譜面までの距離が異なります。

ピアノの場合は譜面との距離が40~50cm、楽器スタンドを使用する場合は60cm~80cmといったところでしょうか。

また、ご自身が演奏する場合もあれば、生徒さんなどに教えることもあるでしょうし、その場合は生徒さんの後ろに立ってご指導されるわけですから、求められる焦点距離が変わってきます。

こうしたことから、見えづらさを解消する白内障手術の際に、焦点距離が複数合う多焦点眼内レンズを選択される方が、増えているのだと思います。

当院は、患者様が術後に求める見え方に合わせた眼内レンズの提供に努めています

眼内レンズ選びの際には、それぞれのレンズの特徴的な焦点距離と、患者様ご自身のライフスタイルに合わせた距離の重要性で、レンズを選択されることが大切です。

言うまでもないことですが、多焦点眼内レンズの見え方の感想は個人差がありますし、あくまで術後の相対的評価にすぎません。白内障手術を受ける年齢や、術後に求める見え方の質など、いろんなことで評価は変わってきます。

当院ではこれまでのところ、おおむね好評価をいただき、「譜面と手元が見やすくなった」「手術前は、演奏に集中しづらい時もあったけど、今は楽しく演奏できる」など、手術後の定期検査で、白内障手術後の視力矯正生活の楽しさを患者様からご報告していただくと、私どもも眼科医冥利につきると言いますか、この仕事に携わって本当に良かったと感じます。
やはり眼科医ですから、見え方が良くなったと言っていただけるのが一番です。

当院では、白内障手術はどんな手術なのか、眼内レンズにはどういう種類があるのかなど、専門のインストラクターが丁寧に解説する白内障無料説明会、多焦点眼内レンズ無料説明会を定期的に開催しています。
わからないことがありましたら、ご相談ください。ご参考になれば幸いです。

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