眼科ブログ

白内障手術のよくある質問「適切なタイミングで手術を受けた方が良い理由」について

白内障手術に関するよくある質問の一つに、「どのタイミングで手術を受けるのが一番いいのか」があります。

見えづらさで仕事や日常生活に影響を感じ始めたら、白内障手術を検討した方が良いということは、情報化社会の中、以前より認識が高まっているように感じます。

生活の質(QOL)と見え方の質(QOV)の関連性と、それを維持することの大切さが広まっていることは、非常に大きいと言えるでしょう。

今日は実際の手術の角度から、適切なタイミングで手術を受けた方が良い理由について、説明してみたいと思います。

白内障手術が、目の中にある濁った水晶体を取り除き、その代わりに人工の眼内レンズを挿入する手術であることは、すでにご存じのことと思います。

超音波乳化吸引術といって、目の中に水を流しながら超音波で水晶体を細かく砕いて、吸い取っていく手術です。

この「水を流しながら砕いた水晶体を吸い取っていく」のが、白内障手術の特徴です。水の流し方一つ取ってみても、弱すぎるとスムーズに次の操作ができませんし、強すぎると眼内の圧が高まってしまう可能性があるため、シンプルですが熟練の技が要求されます。

また、水晶体は歳を重ねるとともに、硬くなっていきます。もちろん個人差はありますが、加齢現象ですので誰も避けることはできないものです。

白内障を放置して、水晶体の硬化が進んでいる場合、より硬い水晶体を超音波で粉砕除去しなければなりません。水を流しながら吸い取っていく際、砕いているとはいえ、通常より水晶体が硬くなっているため、その硬い破片が水流に乗って他の組織を傷つける恐れがあります。より慎重さが求められますので、手術時間が通常よりかかることになり、ひいては患者様の体に余計な負担がかかることに繋がります。

白内障を放置せず、進行しきらないうちに手術を受けることをお勧めしているのは、水晶体が硬くなり切っていない、なるべく柔らかいうちに手術を受けた方が、そうしたトラブルを起こす可能性が非常に少なく、肉体的にも精神的にも負担を減らすことができるからだと、ご理解いただければと思います。

白内障を放置することのリスクについては、当院のホームページでも解説していますので、ぜひご参照ください。

「白内障放置による進行・硬化と白内障手術リスク
~成熟・過熱白内障や膨隆白内障について~」

https://www.wada-ganka.com/cataract/risk.html

 

見えづらい状況を長く続けていると、ケガなどの危険性を高めてしまい、外出も億劫になるなど、心身ともに悪影響があります。

もちろん、人によって目の状態は千差万別ですし、これが白内障手術を受ける絶対的なタイミングというものはありません。

当院は、正確な検査と的確な診断、患者様のライフスタイルなどをよくうかがって総合的に判断し、患者様のご納得のもとで治療計画を立て、患者様に健やかな生活と豊かなアイライフを送っていただけるよう、努めていく所存です。

白内障手術説明会、多焦点眼内レンズ説明会も定期的に行っておりますので、わからないことがありましたらご相談ください。ご参考になれば幸いです。

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