眼科ブログ
白内障の手術を検討される際、「眼内レンズの焦点距離」、つまりピントが合う距離は大事なポイントです。
「趣味が裁縫なので、手元をしっかり見たい」「車の運転の見えづらさを解消したい」「旅行に出た時に、風景をスッキリ見たい」など、さまざまな希望があるかと思います。
今日は「眼内レンズの焦点距離」について、お話しさせていただきます。
まず、眼内レンズは大きく分けて、単焦点と多焦点の2種類があります。
・単焦点⇒ピントが合う距離が1つで、健康保険適用
・多焦点⇒ピントが合う距離が2つ以上で、選定療養もしくは自費診療
このように、単焦点と多焦点の大きな違いは、ピントが合う距離の数とレンズの費用です。
眼内レンズの距離には「遠方」「中間」「近方」の3つがあります。
単焦点は、このうちどれか1つにピントを合わせますので、他の距離はぼやけているため、しっかり見たいときは眼鏡が必ず必要です。
それに対して、多焦点は2つ以上ピントを合わせることができます。3つの距離にピントが合う3焦点レンズ、最近では「遠方」「遠中」「中間」「近中」「近方」の5つにピントを合わせることができる5焦点レンズも登場しています。
機能も費用も違いがありますので、それぞれの特徴をよく理解して選んでいただくために、当院ではできるだけ丁寧な説明に努めています。
では、基本となる「遠方」「中間」「近方」とはどのような距離なのでしょうか。
日頃、そこまで距離について意識することはないかと思います。また、眼内レンズの距離感は、日常生活の感覚とは異なることに驚かれるかもしれません。
例えば、窓を開けて外の景色を見たとしましょう。窓から見える距離が「遠方」であることは、当然お分かりだと思います。次に、ソファに座ってテレビを見る距離はどうでしょう。
多くの方は「中間」をイメージさせると思いますが、眼科ではこのテレビを見る距離、だいたい5m付近も「遠方」に入ります。
眼科でいうところの「中間」とは、50㎝~1mの距離を指します。具体的にはパソコンの画面までの距離、料理やメイクをしているときの距離、あるいは車の運転中にカーナビを見るときの距離も、この「中間」に入ります。
最後の「近方」ですが、30㎝~40㎝の距離を指します。スマートフォンを見るとき、文庫本を読んだり裁縫をしたりなどの距離が「近方」に入ります。
もちろん、生活習慣や環境などによって、個人差はありますので、あくまでも目安とお考えください。
どの距離で過ごすことが一番多いのか、一番よく見えるようにしたいのか。あるいは、眼鏡を使用したいのかどうかなど、白内障手術後のライフスタイルやニーズを見据えて、眼内レンズ選びを行うことが大切です。
当院では、患者様に納得のいく眼内レンズ選びをしていただくために、単焦点・多焦点に関わらず、できるだけ多くの選択肢をご用意しています。
また、白内障手術無料説明会、多焦点眼内レンズ無料説明会を定期的に開催し、専門のエキスパートが詳しく解説しています。お悩みの際はご相談ください。ご参考になれば幸いです。
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