眼科ブログ

多焦点眼内レンズを用いた白内障手術の先進医療除外と選定医療について

先月、ブログで報告しました多焦点眼内レンズを用いた白内障手術の2020年3月末での先進医療除外についてですが、厚生労働省の諮問機関である中央社会保険医療協議会総会で提案され、了承されました(2019年12月13日)。

2020年4月1日以降、多焦点眼内レンズを用いた白内障手術は選定医療(選定療養)となります。

これまで日本で認可されている「多焦点眼内レンズ」は先進医療の対象となり、手術を受ける患者様が加入されている民間保険で「先進医療特約」を付加されている場合は、後から給付を受けることで実質無料となってきました(保険会社の条件によって、全額給付ではなく一部給付のことがあります)。

先進医療から選定医療に変わることで、費用がどうなるのかということが患者様の一番お知りになりたいことではないかと思います。

2020年4月1日以降に多焦点眼内レンズを用いた白内障手術を受けられる場合は、選定医療ですので「保険診療の自己負担分+差額代」となります。

この差額代というのは、入院した際の差額ベッド代をイメージしていただければわかりやすいかと思います。差額代に関しては、各医療機関で設定される費用となります。

現在、「先進医療特約」に加入されていて多焦点眼内レンズを用いた白内障手術をご検討の方は、費用面を考えると2020年3月末までに先進医療認定施設で手術を受けることを選択肢に入れられたほうがいいかもしれません。

逆に「先進医療特約」に加入されていない方は、ケースバイケースですが、4月1日以降に多焦点眼内レンズを用いた白内障手術を検討されたほうがいい場合もあります。今後の動向によりますが、先進医療から外れることで「差額代」の設定や取り扱う多焦点眼内レンズに変化が生じる場合があるからです。

多焦点眼内レンズは万能ではなく、それぞれメリット・デメリットがありますので、それらを含めてよくご検討いただければと思います。

また、仕組みがどのように変わろうとも、和田眼科は患者様が求める健やかなeyeライフのために、より一層技術を磨き安心・安全で低侵襲な白内障日帰り手術の提供に努めていきたいと考えています。

情報化社会の中、さまざまな情報を目にする機会が多く、かえってわかりにくくなっている面もあるかもしれません。できるだけ情報を白内障説明会やブログを通じて、わかりやすく正確にお知らせできればと思います。

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